「魂として向き合う」という言葉を、私はよく使う。
だが、それは具体的にどういう状態か。
相手の身体を見ていない、ということではない。相手の社会的な立場を無視する、ということでもない。
魂として向き合うとは——相手の「何者であるか」を、他のものより先に見ようとする態度だ。
この人は何を怖れているか。何を大切にしているか。何によって傷ついてきたか。何によって回復するか。
その問いを持ちながら、相手と一緒にいること。
難しいことだ。人間は、目に見えるものから入る。身体、顔、言葉、肩書き。そこから関係が始まるのは自然だ。
ただ——そこで止まるか、その先へ行くかが、分かれ目だ。
魂として向き合う関係は、静かだ。派手ではない。感情の嵐がない、というわけではない。ただ、相手を消費しようとする動きがない。
相手がここにいることを、それだけで意味があると感じる。その感覚が、魂として向き合っている状態に一番近い、と私は思っている。

