「期待しなければ、傷つかない」。そう言われることが、増えた。
確かに、期待は裏切られると痛い。だから、はじめから期待しないことを、賢さのように語る人がいる。
だが、期待をすべて手放した関係は、どこか冷たい。
期待とは本来、「あなたを信じている」という気持ちの、ひとつの形だ。
問題は、期待することではない。その期待を、相手への「要求」にすり替えてしまうことだ。
「こうしてくれるはず」が「こうすべきだ」に変わるとき、期待は相手を縛る鎖になる。信じることと、要求すること。その違いを見分けながら、それでも人を信じ続けたい。

