男と女が人間として出会うための思索
男女論 与えることと、尽くすことは、違う
相手のために、何かをする。それは愛の形だ。だが、「与える」と「尽くす」は、似ているようで、根が違う。与えるとは、自分が満ちていて、その満ちた分を相手に手渡すことだ。尽くすとは、自分をすり減らしながら、相手に明け渡していくことだ。尽くす関係は...
男女論 「好きにならないように」と、心に蓋をする前に
傷つきたくないから、好きにならないようにする。期待しないように、感情を先回りして閉じる。そういう生き方を選ぶ人がいる。その気持ちは、わかる。一度深く傷ついた人ほど、心に蓋をすることを覚える。それは、自分を守るための知恵だ。だが——蓋をした心...
男女論 嫉妬という感情を、どう抱えるか
嫉妬は、誰の中にもある。恥じるべき感情のように語られることが多いが、私はそうは思わない。嫉妬は、「失いたくない」という気持ちの裏返しだ。どうでもいい相手には、人は嫉妬しない。大切に思っているからこそ、心が揺れる。問題は、嫉妬を感じることでは...
男女論 別れたあとに残るものが、その関係の本当の姿だ
関係が終わったあと、何が残るか。それが、その関係が本当は何だったのかを、静かに教えてくれる。恨みだけが残る関係がある。利用された、踏みにじられた——そういう感覚しか残らないとき、その関係の中で、自分の尊厳が削られていたのかもしれない。一方で...
男女論 「重い」と言われることを、怖れなくていい
「重い」という言葉が、人を縮こまらせる時代になった。好きだと伝えれば重い。会いたいと言えば重い。将来を話せば重い。そうやって、自分の感情の温度を下げることを覚えた人がいる。本当はもっと求めているのに、軽く見せる。執着していないふりをする。だ...
男女論 「察してほしい」と「言葉にする」のあいだで
「言わなくても、わかってほしい」——そう思ったことのない人は、いないだろう。察してほしいという気持ちは、甘えではない。それは「この人になら、言葉にしなくても届くはずだ」という、信頼の表れだ。だが——その信頼が、いつのまにか相手への要求に変わ...
男女論 「本命」という言葉が、人を傷つける理由
「本命」という言葉がある。
本命にされたい。本命じゃなかった。本命と遊びの違いは何か。
この言葉が使われるとき、人は順位をつけている。誰かを一番にして、誰かをそれ以下にする。
その構造に、私は違和感がある。
「本命...
男女論 なぜ人は、愛している人を傷つけるのか
愛しているのに、傷つけてしまう。
この矛盾を、多くの人が経験している。好きだから傷つける。大切だから、強く当たる。近いから、雑に扱う。
なぜそうなるのか。
一つは、安心があるからだ。遠い人には、感情を抑制する。傷つけたら...
男女論 「傷つけるつもりはなかった」という言葉の構造
「傷つけるつもりはなかった」
この言葉を、受け取ったことがある人がいる。
言った側は、本当にそう思っている場合が多い。嘘ではない。悪意もない。ただ気がついたら、相手が傷ついていた。
なぜそうなるのか。
傷つけるつも...
男女論 身体で近づいた恋が、魂に届くとき——そして、届かないとき
身体から始まった関係が、ある。
最初は身体だった。でも、気がついたら深く好きになっていた。その恋が、魂まで届いた——そういう経験を持つ人がいる。
だから、断言はできない。身体から始まったからといって、魂に届かないわけではない。...