何事も、効率で測る時代になった。コストパフォーマンス、タイムパフォーマンス。無駄を省き、最短で成果を得る。
仕事においては、それは有効だ。だが——人間関係に、同じ物差しを当てると、どうなるか。
「この関係は、自分にとって割に合うか」。そう考えはじめた瞬間、相手は「投資先」になってしまう。
人を深く知るには、無駄に見える時間が要る。とりとめのない会話、すれ違い、ただ待つ時間。
効率を求める心は、その「無駄」を真っ先に切り捨てる。すると、関係は浅いところで止まってしまう。
人と人のあいだにある、すぐには成果にならないもの。それを大切にできるかどうかが、この時代に静かに問われている。

