手相を見るとき、私は線だけを見るのではない。指も見る。なかでも、親指には、その人の「意志のかたち」が出る。
親指は、ほかの四本と向き合う、唯一の指だ。握る、掴む、支える——人間の手が何かを成せるのは、この一本が他の指と対になっているからだ。
親指がしっかりして、よく開く人は、意志が強く、自分から動く力を持つ。第一関節がよく反る人は、柔軟で、相手に合わせることができる。反りが少なく固い人は、芯が強い。
どちらが良い悪いではない。私が見ているのは、意志の強さそのものではなく——その意志を、どこに向けているかだ。
強い意志は、何かを成し遂げる力にもなるし、誰かを思い通りにしようとする力にもなる。同じ強さが、創造にも、支配にも使える。
親指の強さを、自分を律することに使える人。その人の手は、握る力だけでなく、手放す力も持っている。

