「承認欲求」という言葉が、否定的に使われるようになった。認められたい、という気持ちを、どこか恥ずかしいもののように語る空気がある。
だが——認められたいという欲求は、人間の根の部分だ。「私はここにいていい」と感じたい。その願いは、消すべきものではない。
問題は、欲求そのものではない。それを、どこに向けるかだ。
「いいね」の時代、承認は数で測られるようになった。何人が反応したか。承認が、量に変わった。だが、量の承認は、渇きを癒さない。千の「いいね」より、一人の「あなたがいてよかった」のほうが、人を深く満たすことがある。
本当の承認とは、自分の存在を、誰かに丸ごと見てもらうことだ。良いところも、弱さも含めて。
数を追うのをやめて、一人と深く向き合う。それは時代に逆らうようでいて——人間が、人間に戻っていく道なのかもしれない。

