太陽

曇りの日

曇りの日も、太陽は、ある。雲の上で、変わらず、光っている。見えないだけで、なくなったわけでは、ない。落ち込んでいる人に、「元気を出せ」とは、言わない。ただ、雲の上で、太陽が光り続けているように、その人のことを、変わらず、思っている人がいれば...
太陽

月を照らす

夜空の月は、自分では、光らない。太陽の光を、受けて、はじめて、かがやく。月は、太陽に、礼を言わない。太陽も、それを、求めない。だが、たしかに、太陽の光は、夜の闇のなかで、かたちを変えて、誰かを照らしている。人の善さも、そうかもしれない。あな...
太陽

しずむ勇気

太陽は、のぼるだけでは、ない。夕方には、しずむ。しずむから、また、のぼれる。ずっと照り続けることは、できない。人も、休まなければ、与え続けられない。しずむことは、負けることでも、怠けることでも、ない。明日また、のぼるための、準備だ。自分を休...
太陽

強すぎる光

太陽は、恵みであると同時に、ときに、きびしい。照りつけすぎれば、土は乾き、草は枯れる。よかれと思う光も、強すぎれば、人を、痛める。愛も、正しさも、同じだ。強い思いは、注ぎすぎると、相手を、焼いてしまうことがある。だから、太陽は、雲に、かげる...
太陽

見返りを求めない

太陽は、光を送って、礼を求めない。花が咲いても、「私のおかげだ」とは、言わない。実が実っても、代金を、請求しない。ただ、与える。与えて、しずむ。人の愛も、そうであれたら、と思う。「これだけしたのだから」と、見返りを数えはじめると、光は、急に...
太陽

また、のぼる

太陽は、毎朝、のぼる。昨日、どんなに雲に隠れても、今朝、また、のぼる。当たり前のようでいて、それは、すごいことだ。人は、一度つまずくと、もう、のぼれない気がする。だが、太陽は、毎日、何も言わずに、のぼり直している。昨日の失敗を、引きずらない...
太陽

わけへだてなく

太陽は、選ばない。金持ちの庭にも、貧しい家の窓にも、同じ光を、送る。善い人にも、過ちを犯した人にも、分けへだてなく、あたたかい。それが、太陽の、いさぎよさだ。人は、つい、相手を選んで、光を当てたくなる。好きな人には、やさしく。そうでない人に...

音もなく

露は、音を、立てない。雨は、屋根を打ち、川は、せせらぎ、海は、寄せては返す。だが、露が降りるとき、音は、しない。いちばん静かに、いちばん近くまで、来ている。大きな声で語られる善意も、ある。だが、いちばん深く届くものは、たいてい、音もなく、そ...

草も木も

露は、大きな木にも、小さな雑草にも、同じように、降りる。名のある花にだけ、降りるのでは、ない。道ばたの、名も知らぬ草にも、朝は、まるい光を、置いていく。めぐみは、選ばない。「価値がある」と、人が決めたものにだけ、注がれるのではない。すべての...

低いところへ

水は、低いところへ、流れる。露も、高い梢ではなく、地に近い、低い草に、多く結ぶ。低いところにこそ、めぐみは、たまる。偉くなること、上にいくことばかりを、人は目指す。だが、露は、下へ、下へと、降りていく。低くいることを、恥じない。低いところに...
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