音もなく

露は、音を、立てない。

雨は、屋根を打ち、川は、せせらぎ、海は、寄せては返す。

だが、露が降りるとき、音は、しない。

いちばん静かに、いちばん近くまで、来ている。

大きな声で語られる善意も、ある。

だが、いちばん深く届くものは、たいてい、音もなく、そばに来る。

「気づいたら、そこに、いてくれた」

そういう存在に、人は、救われる。

露のように、音もなく、しずかに。

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