人と人が出会う方法が、この十数年で大きく変わった。マッチングアプリは、もはや珍しいものではない。
与えたものは、大きい。出会いの数が増え、生活の範囲を超えて人とつながれるようになった。内気な人にも、入口が開かれた。
だが——変わってしまったものも、ある。
出会いが、「選ぶ」行為になった。写真とプロフィールが並び、人を条件で絞り込んでいく。
効率はいい。けれど、条件で人を測る習慣は、目の前の一人を「他にもっといるかもしれない」という目で見させてしまう。
道具が悪いのではない。ただ、画面の中で人を比べることに慣れた目で、生身の相手の、言葉にならない部分まで見つめられるか。問われているのは、私たちの「見る力」だ。

