ディフェンバキア——美しさ/欲望/接触/毒/境界

草花研究

ディフェンバキアは、ホームセンターでもよく見かける観葉植物の一種である。

熱帯的で、大きな葉を持ち、
緑の中に白い斑が入っている。

どこか異国的で、
少し誘惑的にも見える植物だ。

日本で一般に紹介される花言葉には、

「危険な恋」

というものがある。

危険とは、なんであろうか。

危なく、険しい。

きっとドラえもんなら、

「危険が危ない」

なんて言うんだろう。笑

けれど、
ディフェンバキアを眺めていると、

わたしには、この「危険」という言葉が、
妙にしっくりくる。

美しい。

惹かれる。

触れたくなる。

けれど、

無防備に触れれば、傷つくことがある。

だから、

「愛してはいけない人」

というよりも、

「惹かれることと、安全であることは、同じではない」

という植物に、わたしには見える。

ディフェンバキアは、
その植物自身にも刺激性を持っている。

樹液などが口や皮膚に触れると、
痛みや腫れなどを起こすことがある。

美しいからといって、
無防備に扱ってよい植物ではない。

そこが、
なんとも人間臭い。笑

わたしは以前、

ディフェンバキアを一株、
自宅へ迎えたことがある。

けれど、

あまり長く一緒にいることはできなかった。

すぐに弱らせてしまい、
やがて枯らしてしまった。

今でも少し、
申し訳なかったと思っている。

瑞々しく美しかった葉が、

少しずつ白く透け、

輪郭を失っていく。

わたしには、
そんなふうに見えた。

その姿を思い出すと、

人間もまた、

誰かとの関係の中で、
自分の輪郭を失ってしまうことがあるのだと思う。

相手が嫌いだからではない。

むしろ、

好きだから。

近づきたいから。

触れたいから。

一緒にいたいから。

だからこそ、

自分の身体が、

どこまで自分のものであるのか、

分からなくなることがある。

鉢のディフェンバキアに手を添えている絵
絵:Luna SĀYA
ベランダでディフェンバキアに水をやっている絵
絵:Luna SĀYA

yohaku

ディフェンバキアを見ていると、

なんだか、その美しい葉に
誘惑されているような気持ちになる。

けれど、意外にも。

ディフェンバキアは風水では、
ご近所トラブルを避ける意味をもつ植物だという。

だとしたら、

この植物は案外、
調整力や交渉力、
そして境界を張る力が
強いのではないだろうか。

だから、私は思った。

この葉の美しさに、
勝手に惹かれ、

勝手に酔っているのは、

わたし自身なんじゃないかしら、と。

ディフェンバキアには、毒性もある。

「わたしに触れたら、危険ですよ」

ちゃんと、そう発信している。

それなのに、

阿呆なわたしは、
その葉に触りたくなる。笑

適切な距離で愛でていれば、

なんの問題もなく、

ずっと一緒に
いられるのにね。笑

サーヤ


取り扱いについて

植え替えや切り戻しで樹液が出るときは手袋を。作業のあとは手を洗ってください。小さな子どもやペットが葉をかじらない場所に置いてください。口に入った、目に入った、腫れが出たときは、すぐに洗い流して医療機関へ。

表紙の絵:Luna SĀYA

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