2026-08

画家研究

上村松園——出雲という土地で——

上村松園(一八七五〜一九四九)。京都に生まれ、生涯、女性ばかりを描いた日本画家である。 女性として初めて文化勲章を受けた人でもある。 ここでは、その生涯を生まれから順に辿る。そのまえに、絵の話から始めたい。 出雲という土地で わた...
画家研究

生きている時間を、描いた人 ——ジュール・パスキンのこと

エコール・ド・パリの画家、ジュール・パスキン(一八八五〜一九三〇)。 ブルガリアに生まれ、ルーマニアで育ち、ウィーンとミュンヘンで学び、パリで描き、アメリカ国籍を取って、パリで死んだ。 四十五年の生涯のあいだ、彼が描きつづけたのはほとんど...
草花研究

ディフェンバキア——美しさ/欲望/接触/毒/境界

ディフェンバキアは、ホームセンターでもよく見かける観葉植物の一種である。 熱帯的で、大きな葉を持ち、緑の中に白い斑が入っている。 どこか異国的で、少し誘惑的にも見える植物だ。 日本で一般に紹介される花言葉には、 「危険な恋」 というものがあ...
草花研究

パキラ――ひらいた手のような木

パキラの花言葉は、一般に「快活」、そして「勝利」とされることが多い。 「快活」は、パキラの明るく広がる葉や、生命力の強さから連想される言葉。 「勝利」は、丈夫で育てやすく、勢いよく成長する姿に結びつけて語られることが多い。 わたしがパキラを...
色彩研究

空はなぜ、人を浄化するのか ——青のこと

青と聞いて、わたしはまず自然界のそれを思い浮かべる。空の青と、海の青。 そして思い浮かべた瞬間に、自分が少しだけ浄化されていることに気づく。何もしていないのに。ただ、思い出しただけなのに。 では、空はなぜ人を浄化するのだろう。海の浄化と、空...
草花研究

カーネーション——赤と白に、分けられていた頃

カーネーションは、ナデシコ科ナデシコ属の花である。 学名を Dianthus caryophyllus という。Dianthus は、ギリシャ語の dios(神)と anthos(花)が合わさった言葉。つまり、「神の花」。 caryophy...
草花研究

黄色いチューリップ——花言葉が書き換えられた花

黄色いチューリップの花言葉を引くと、日本の辞典にはたいてい「望みのない恋」「叶わぬ恋」と書いてある。 ところが英語で同じ花を引くと、出てくるのは「明るい思い(cheerful thoughts)」「あなたの笑顔には太陽の光がある」だ。 同じ...
草花研究

四葉のクローバー——幸運は、踏まれた場所に出る

原っぱにしゃがんで、四葉を探した時間が誰にでもあると思う。見つからないまま日が傾いて、膝が痛くなって、それでもまだ探していた、あの時間。 四葉のクローバーは、なぜ幸運の印になったのか。そして、この草の本当の名前——白詰草(しろつめくさ)——...
草花研究

マリーゴールド——なぜ「嫉妬」の花になったのか

麦わら帽子みたいな花だと思う。花びらがぎゅっと詰まって、縁が丸くて、夏の花壇でいちばん機嫌がよさそうに見える。子どもが描く「花」の絵に、いちばん近い形かもしれない。 ところが花言葉を引くと、そこに「嫉妬」「悲しみ」「絶望」が並んでいる。この...
草花研究

ピンクの紫陽花——色を変えて帰ってきた花

鉢植えで売られている紫陽花に、やわらかいピンクのものがある。日本の梅雨の風景から少し外れて見える色で、洋風の花のようにも感じる。 けれどこの花は、もとをたどれば日本の花だ。出ていって、向こうの土の色になって、その姿で帰ってきている。 ピンク...
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