すぐに答えの出ることばかりが、増えた。
調べれば、たいていのことは、その場でわかる。
待たなくてよくなった分、人は、待つことが、下手になった。
だが、人の心は、調べても、出てこない。
相手が、自分の気持ちを、言葉にできるまで。子どもが、自分の力で、立ち上がるまで。傷ついた人が、また笑えるように、なるまで。
それは、こちらの都合では、早められない。
待つことは、何もしないことではない。相手の時間を、尊重するという、能動的な行いだ。
急かさずに、そばにいる。その静かな時間こそ、いちばん深く、人を信じている証なのかもしれない。

